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No.15 (2005年7月発行)



プロジェクトの最新情報をお伝えします

新しい創作絵本をご紹介します
タイで図書館活動の一環として行なう「絵本プロジェクト」では、2004年度に新たに5冊の絵本を制作しました。ニュースレター8号でお伝えしたように、小学校高学年の子どもたちが、グループワークを通して、物語とイラストを創作し、オリジナルの絵本としてまとめたものです。作品の一部を右にご紹介します。
この活動は、タイの教育界で大きな注目を集めています。2004年12月にバンコクで行われた教育関係者向けセミナーでは、学習者主体の総合的な教育方法の1つとして、大きな期待が寄せられました。
日本国内でも、ご希望の方に絵本を有料でお分けしており、これまでに約170冊を販売しました。小さなお子さんへの読み聞かせや、子供会でのプレゼント、あるいはタイ語の学習など、様々な場面でご活用いただいています。新たな教育手法として、また国際理解のきっかけとして活用されることで、プロジェクトの成果が大きく広がっています。国内での絵本販売による売上は、タイの図書館プロジェクトに還元され、継続的な支援活動が可能になっています。
今回ご紹介する新しい5つの作品も、日本語と英語訳をつけて、ご希望の方に1冊500円(送料別)でお分けします。タイの子どもたちの独創性あふれるお話を楽しみながら、子どもたちの読書体験をさらに豊かにすることに貢献できます。ご希望の方は事務局までお問い合わせください。

タイの子どもたちによるオリジナル絵本 6
◆ストーリー紹介◆
『海のたんけん』
海の中をたんけんするのが大好きな子イルカがいました。深く深くもぐって行くと、いろいろな海のなかまたちが楽しくあそんでいるところに出会いました。子イルカはみんなをさそって、空にながれる星を見に行こうとしました。そのとき、ほらふきザメがやって来て・・・

タイの子どもたちによるオリジナル絵本 7
◆ストーリー紹介◆
『おしとやかネズミ』
とてもおしとやかで、ゆっくりゆっくり歩くネズミさんがいました。ある日、ゆっくりゆっくりおさんぽしていると、さまざまなとくちょうをもったどうぶつたちに出会いました。みんなはそれぞれちがったせいかくだけど・・・

このほかの3つのタイトルも、ホームページにてご紹介しています。


新しい作品のイラストは、描画だけでなく、風船や粘土を使って登場人物をつくるなど、バリエーションがあり、楽しめます。お話も、相互理解や環境問題をテーマにしたものや、空想的な世界まで、様々です。ぜひ手に取って読んでみてください。
絵本は、B5版の簡易製本でお届けします。ご注文いただいた方には、8月半ばから順次発送いたします。
※絵本プロジェクトは日本国際協力財団の助成を得て実施しました。


ノマドの活動Q&A 第2回
ニュースレター発行1年にあたって実施したアンケートの中でいただいたご意見やご質問にお答えします。

Q. 同じ言葉を使っても人によってとり方やイメージするものが異なるため、同じ土俵で話ができないことがしばしば起こるように感じます。一言で読書推進といっても、目的が微妙に異なることで日本側とタイ、グルジア側で方法論が異なってきたりするのではないでしょうか。

A. たしかに、文化背景が違えば、同じ言葉に対する理解や感じ方、そこから期待するものも異なってきます。活動をしていく上で、このことは様々な場面で感じます。例えば、タイで聞き取り調査を行なうときに、こちらが「本」という言葉を使って質問すると、新聞や雑誌について答えが返ってくることが多かったり、子どもが書いた読書日記の内容や創作絵本のストーリーを見ると、道徳的なものが非常に多いという特徴があります。本は知識を与えるもの、社会道徳を教えるもの、としてとらえられていることがわかります。一方、グルジアでは、「本」というと実用的な内容よりは、文学や詩、歴史の本に関する言及が多く、本は教養を豊かにするものとしてとらえられることが多いようです。
こうしたもともとの文化的土壌の違いにプロジェクトのあり方が影響される一方で、プロジェクトを実施することにより、読める本の種類が増えて、子どもたちの本に対する意識が変わってくることもあります。こうしたことは、現地と意見交換したり、実際に活動してみてわかってくることも多く、そのつど、計画に反映するようにしています。タイとグルジアでの読書推進活動の方法が異なるのも、そうした事情があります。一方的な価値観の押し付けにならないように、現地とよく話し合い、理解しあった上でプロジェクトを進めていきたいと思います。



活動地域の教育事情や社会情勢などをお伝えします

ロシアの学校教育制度は危機の段階を乗り越えられるか
(当団体のロシアでの協力者であり、現在はモスクワの国立人文科学大学で教鞭を取っておられるボリス・マリシェフさんが、ロシアの学校教育の今日的な問題をレポートしてくださいました)

今ロシアでは、多くの社会的な問題の中で、学校教育の問題が最も大きく取り上げられています。子どもたちは学校の授業にどんどん興味を失ってしまって、学校に行くのも「必要がない」と考えています。50%以上のロシア人は学校教育制度がだめになったと感じています。こうなった一つの理由は、学校の教員の年齢です。今、学校では50〜70歳の年配の教師が主に働いています。教育大学の若い卒業者は、ビジネスを始めたり、あるいは外国へ行ってしまったりしています。状況がこのように厳しくなったのは、ロシア政府が学校教師に順調に生活できるだけの給料を支払わないという背景があります。
また、ロシアの学校教育制度が狭い分野での専門家を養成するために作られているという問題があります。今日、世界的に様々な分野における仕事ができるような専門家の養成が進んでいます。たとえば、今日はコンピュータエンジニアの仕事、明日は記者の仕事、明後日は科学者の仕事ができるような専門家がどこでも必要です。しかし、ロシアの教育制度は、まだ何になりたいのかわからない13歳〜15歳の子どもを専門的なコースに分ける厳しい制限を作っています。そして、この狭い専門的なコースに入れられた卒業者は、大学に入学すると幅広い知識を求められて勉強は大変難しくなります。
教師たちも教育制度は危機の段階に入ってきたと感じています。かつては一貫だった小中高校の間の結び付きが途切れ、子どもたちは新しい学校の段階に入るたびに大きなストレスを受けています。特に、子どもが12歳で小学校を卒業して、それまでとは全く異なる勉強システムが採用されている中学校に入学する時の影響は顕著です。大学に入学して後も新たなストレスがあります。
この状況を早急に改善しないとロシアの学校教育制度は完璧に破壊されてしまう、と教育専門家は警告しています。教育改革をどのように行なうべきか、政府も教育省も模索中です。



事務局からのお知らせや最近の動きなどをお伝えします

グルジアプロジェクト報告会を開催します

現地協力者が伝える図書館プロジェクトの今
ノマドインターナショナルでは、グルジアの協力者であるルスダン・ピルヴェリさんの来日にあわせて、活動報告会を開催します。児童図書館の改修や読書推進活動がどのように進められ、現地でどのように受け止められているのか、現地担当者が肌で感じるプロジェクトの成果を、最新の映像を交えながらお伝えします。
活動報告の前後には、情報交換や交流をお楽しみいただける交流会を設けます。日本ではまだあまり馴染みのないグルジアですが、現地の方と直接交流して、その文化や教育事情について知るチャンスです。多くの方のご参加をお待ちしております。

日時:2005年9月1日(木) 
   18:30〜20:30(活動報告は19:00スタート)
場所:環境パートナーシップオフィス エポ会議室
(表参道駅徒歩5分 または 渋谷駅徒歩10分、
国連大学となり「コスモス青山」ビルB2F)
参加費:300円(資料代) 
※ お名前・ご住所・連絡先を明記の上、メール又はFAXで事前にお申し込みください。


寄付キャンペーンのご報告と新たなご支援のお願い

2004年11月から「タイの子どもたちへ1000冊の本を送ろう」として呼びかけたキャンペーンには、合計で25名・2団体の皆さまから104,796円のご寄付をいただきました。いただいたご寄付は、タイ北部農村地域のプロジェクト拠点校11校に新しい子ども用の本を届けるために使わせていただきました。ご支援に心より感謝申し上げます。寄付者の皆さまには、プロジェクトご報告の小冊子をお送りいたします。
2005年度は、津波により被害を受けたタイ南部の学校にも、本の支援を行なう予定です。子どもたちが本から新たな希望や楽しみを見つけだせるよう、皆さまのご支援をお願い申し上げます。
寄付は一口1,000円(本約4冊分)から受け付けております。

<寄付振込先> 
郵便振替口座 口座番号:00100-2-14174
口座名:ノマドインターナショナル
※通信欄に「タイ図書館プロジェクト支援」とご記入ください。

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編集後記

・8月に再度タイを訪問します。前回お世話になった子どもたちや先生、村の人たちとの再会が楽しみです。(武津)
・来月の訪問で、初めてタイの子どもたちに会えるのをとても楽しみにしています。(伊藤)
・ひとつひとつの仕事にやりがいを感じ、ずっと国際支援に何らかの形で関わって行きたいと思っています。(丸山)

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