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No.4 (2004年8月発行)




タイの学校から子どもたちの声をお届けします。--訪問調査報告--

タイの図書館プロジェクトの実施状況を確認し、活動に参加する子どもたちや地域の人々のニーズを把握するため、6月に日本の事務局スタッフが活動地域を訪問して調査を行いました。活動地域の様子や、子どもたちの声をご報告します。

<活動地域をご紹介します>
今回はピサヌローク県とナン県で6つの小学校を訪れました。中でもナン県の学校の1つは、ナン市から山中を車で2時間ほど、さらに雨期には通れなくなることもある未舗装の悪路を20分ほど走ってやっとたどり着きます。私たちが到着すると、全校の子どもたちが合掌の挨拶で出迎えてくれました。
どの活動校も、周囲には田や畑が広がり、地域の住民のほとんどが農業に従事する農村地帯。世帯の収入は厳しく、借金を抱える家も少なくありません。
こうした農村地域には公共図書館や書店はなく、毎日読める新聞は入手困難、学校には子どもの興味をひく本を購入する予算が不足しています。必要な情報を得る手段が限られ、発展する都市との格差は広がる一方という状況がありました。

ふもとの村の様子
(Ban Nam Kerm校から B
an Pin Luang校への途中)
このような急斜面でも
作物を作っている
設備改修工事をおこなっている
図書館(Ban Nam Kerm校)


<活発な読書活動が行われています>
地域の情報拠点としてつくった学校図書館は、今では子どもたちの学校生活の重要な一部になっています。昼休みや放課後には、自ら図書館に集まってきて本を読む子どもたちの姿が見られました。授業の調べ学習に図書館を利用したり、毎朝15分間の読書時間を設けるなど、先生たちの指導も熱心です。
読書の習慣づくりを目指した読書推進活動も活発に行っています。ニュースレター第1号でご紹介した「読書日記」や、校内放送設備を利用して読んだ本の内容を発表する「ボイス・イン・ライン」という活動です。子どもたちにとても人気があり、活動に参加した感想を尋ねると、「作文がうまく書けるようになった」「正しい文字のつづり方を覚えた」「人前で発表することが得意になった」「日常生活に活かせることを学んだ」などの意見が聞かれました。読書をもとに、様々な学習能力を総合的に伸ばすことができると、先生たちも活動にとても積極的です。

インタビューを受ける子どもたち
(Ban wang Yao校)
図書館と子どもたち
(Ban wang Yao校)


<地域の人々にも広がる読書>
図書館活動では、子どもたちだけでなく、地域の人々にも本に接する機会を提供しています。住民が集まりやすい家や商店の一角に簡易の図書館を設置したり、学校の蔵書の一部を図書ボックスに入れて地域に貸し出しています。ピサヌロークで活動に協力する地域のリーダーの話では、「農閑期には村人たちが本を読みに来ることも多く、情報を得ることができてとても役立っている」ということでした。
住民の間に活動への理解は広がり、図書館建設時の労働力や、本を置く場所の提供など、積極的に協力する人も出てきています。支援は永続的に続けるわけにはいきませんから、将来的には地域で自主的に活動を運営できるようになることを目指しています。その可能性を感じることのできた訪問でした。

コミュニティーリーダーの家に
置かれた移動図書ボックス
移動図書ボックスにある本
(Wat Ban Rai校区)
コミュニティーリーダーへの
インタビュー


ナン県のバンピンナイ小学校で5〜6年生の10人にインタビューしました

(左)インタビューを受ける子どもたち
(右)左からBeeさんと Bunさん
お母さんが病気のBunさんは、将来お医者さんになりたいそうです。
Q. どんな本が好きですか?
A. イソップなどの物語、詩集、教育マンガなどです。

Q. 月に何冊ぐらい本を読みますか?
A. 平均して10〜15冊ぐらいです。

Q. ボイス・イン・ライン活動で、人前で発表するのは緊張しませんか?
A. しません!

Q. 発表した内容で印象的だったのは?
A. 地方の方言についてです。たとえば、グアバは中央タイ語では「ファラン」と言いますが、ナンの方言では「マケアオ」と言います。

Q. 週末はどんなことをしますか?
A. 農作業や家事を手伝ったり、外へ遊びに行きます。

Q. 将来、何になりたいですか?
A. お医者さん(5人)、看護婦さん(2人)、警察官、兵士、お坊さん。

Q. 大きくなったら街に出たいですか、それとも地元に残りたいですか?
A. できれば戻って来たいです。


ナンは独特の文化を保持し、共同体意識も高い地域です。読書の体験は、地元の文化に誇りを持つことにもつながっているようです。


速報!グルジア文化省からの協力が決定
新たに図書館活動を開始したグルジアで、予算が不足していた児童図書館の家具購入費をグルジア文化省が負担することになりました。私たちの活動がきっかけとなって、これまで滞っていた図書館への政府の支援が再開されました。グルジアの図書館プロジェクトについては、次号でご紹介します。今回はまず下のコラムで、グルジアという国について概略をご案内します。



活動地域の教育事情や社会情勢などをお伝えします

グルジアってどんな国? 〜グルジアの基礎知識〜
皆さんはグルジアと聞いて何を思い出しますか?今人気の若手力士「黒海」、カスピ海ヨーグルト、スターリンの生誕地、2003年の「無血クーデター」等々でしょうか。
グルジアは西アジアの南カフカス地方に位置する共和国で、ロシア、アゼンバイジャン、アルメニア、そしてトルコに囲まれ、西側には黒海が広がります。約70,000平方km(日本の四国とほぼ同じ)の国土には約560万人が住み、隣国との国境線は1,461kmにも及びます。
古くからキリスト教国であったグルジアは、他民族による度重なる侵略や支配を長い間受けてきましたが、1991年4月、旧ソ連からの独立を果たしました。多くの侵略や長い支配に影響されることなく、世界最古のアルファベットであるグルジア語を守り通し、古くから栄えた文化に誇りを持ち大切にしています。
また、近年では100才以上の人口比率が世界で最も高い国として知られるようになりました。ヨーグルトを初めとする「食による健康維持」の秘けつが食文化に隠されているようです。

<現地スタッフ短信:タイとグルジアの現地スタッフが日々の生活をつづります>

タイだより  (在バンコク:八木)
去る7月3日、バンコクでタイ国初の地下鉄が開通した。欧米、日本の最新の技術が組み込まれている。99年の暮れに開通したスカイトレインとともに、今後はバンコクの人々の大切な足となるだろう。こうした公共交通機関の発達も、成長するバンコクという都市のひとつの象徴と言える。夕刻の渋滞の車の中で、地下鉄が悪名高いバンコクの渋滞を少しでも軽減してくれることを願った。
グルジアだより   (在トビリシ:ルシコ)
夏の観光シーズンが始まった。コーカサス山脈の2000〜4500m級の山々、黒海沿岸の海岸避暑地、点在する温泉や保養地など、グルジアは観光資源に恵まれている。ソ連時代には、全国から大勢の観光客がグルジアに押し寄せたものだった。今は残念ながら、施設の多くは壊れて使えない。だが近年になって、次々と設立された小企業が、地元のグルジア人をターゲットにした観光開発を積極的に行っている。



事務局からのお知らせや最近の動きなどをお伝えします

国際協力NGOダイレクトリーのご紹介
国際協力NGOセンターから、日本の国際協力NGOを全国規模で収録した団体要覧『国際協力NGOダイレクトリー2004』が発行されました。当団体も183ページに掲載されています。お問い合わせは以下までお願いします。
● 国際協力NGOセンター(JANIC)
電話:03-3294-5370 FAX:03-3294-5398
URL:http://www.janic.org

会員募集中! 
私たちの活動は市民の皆さまからのご支援で成り立っています。ぜひあなたも会員になって、活動を支えてください。個人正会員は年会費6,000円(入会金2,000円)、賛助会員は年会費2,000円(入会金1,000円)です。

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編集後記

・猛暑が続き、先月訪れたタイを思い出しています。暑い中でも元気な子どもたちに負けないように、夏を乗り切りたいと思います。(武津)
・短かった梅雨も明け、本格的な夏がやってきました。暑いときには辛いものが一番。現地で覚えた味を再現すべく、今年はタイ料理作りに挑戦してみます。(田島)
・はじめまして。7月から非常勤スタッフとして働きはじめました、伊藤です。主にウェブサイトの更新などを担当します。是非、ご意見をお聞かせください。(伊藤)

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